
Miki Sasahara
笹原 実希
CEO / Ventora
地域事業者、観光企画担当、体験プログラム運営者の会話から始まった問いを、地域体験を続けやすくする予約と連絡の設計へ育てる。Ventoraの事業づくりを追う。
- Year
- 2022
- Role
- CEO
- Industry
- 地域体験予約・運営支援
- Tags
- 地域体験予約・運営支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
笹原 実希氏の事業観には、地域の体験企画が予約管理の手間で続きにくいことを知ったという原点が一貫してあります。Ventoraでは体験予約と事業者連絡をまとめる運営支援ツールを中心に、地域事業者、観光企画担当、体験プログラム運営者が抱える確認や受け渡しの負担を分解してきました。笹原 実希氏は便利さを機能数で測らず、翌日も無理なく使えるかを確かめます。その慎重さが、地域体験を続けやすくする予約と連絡の設計を進める際の判断基準になっています。
Company Focus
Ventoraの事業は、地域事業者、観光企画担当、体験プログラム運営者が使う体験予約と事業者連絡をまとめる運営支援ツールの設計と運用支援です。地域体験予約・運営支援では例外的な対応が日常的に起こるため、画一的な標準化だけに頼らず、調整の余地を残した仕組みを目指しています。Ventoraは、機能の多さより、確認や受け渡しが短くなることを価値として見ています。
Business Focus
Ventoraは地域体験を続けやすくする予約と連絡の設計に注力しています。重視するのは、地域事業者、観光企画担当、体験プログラム運営者が説明を受けた直後ではなく、時間がたった後にも自分たちで扱えることです。導入する側の都合で手順を増やさないという判断軸が、仕様を増やしすぎないための基準になっています。
Leadership Note
笹原 実希氏は、確認項目を増やすことで安心を作ろうとしそうなときに一度立ち止まります。そこで行うのは決断の先送りではなく、地域事業者、観光企画担当、体験プログラム運営者の側で何が増減するかの確認です。担当者が変わっても判断の背景をたどれる記録を日々のレビューに落とし込み、役職に関係なく懸念を言葉にできるようにしています。
Interview
Q&A
Question 01
地域の体験企画が予約管理の手間で続きにくいことを知ったという出来事を、当時どう受け止めましたか。
インタビュアー
Ventoraの出発点には、地域の体験企画が予約管理の手間で続きにくいことを知ったという経験があったのですね。
笹原氏
近いです。最初に残ったのは、派手な課題というより、現場の人が少し言葉を選びながら困っている空気でした。現場の事業者と話すと、このツール以前に、何を残し、誰に渡すかが曖昧になっている場面がありました。
インタビュアー
プロダクトの前に、情報の扱われ方を見ていた。
笹原氏
はい。急いで仕組みにするより、なぜその迷いが起きるのかを観察しました。地域体験を続けやすくする予約と連絡の設計というテーマも、そこから自然に見えてきたものです。
インタビュアー
Ventoraにつながった違和感は、個人的なものだったのでしょうか?
笹原氏
最初は個人的な感覚でした。でも、地域体験予約・運営支援の別の現場でも似た話を何度か聞いたんです。Ventoraとして動き始めたのは、一人の困りごとではなく、仕事の進め方に残っている隙間だと思えたからです。
インタビュアー
このツールで埋める前に、隙間の形を見た。
笹原氏
そうですね。このツールで無理に埋めると、かえって窮屈になります。Ventoraでは、まず隙間の形を見て、そこに合う方法を考えました。
Question 02
現場の事業者に使われるために、何を見直していますか。
インタビュアー
地域体験予約・運営支援の中で、いま何を深めていますか?
笹原氏
いちばん見ているのは、判断の手前にある迷いです。地域体験を続けやすくする予約と連絡の設計を進めるには、きれいな結論だけでなく、そこへ至る途中の情報が必要になります。
インタビュアー
Ventoraは、判断の途中経過を大切にしている。
笹原氏
はい。このツールは、結論を急がせる道具ではありません。現場の事業者が納得して次へ進める材料をそろえるものです。
インタビュアー
Ventoraは、機能を増やすことよりこのツールの使われ方を見ているのですね。
笹原氏
そのほうが近いです。現場の事業者は新しい道具を触るために働いているわけではありません。このツールで自分の仕事が少し進みやすくなる、というくらいの自然さをVentoraは大事にしています。
インタビュアー
このツールが自然に仕事へ入っていくこと。
笹原氏
はい。Ventoraでは、このツールを『便利そう』で止めず、『明日も使いそう』まで持っていけるかを見ています。
Question 03
Ventoraのチームでは、どんな会話が多いですか。
インタビュアー
組織づくりでは、担当者が変わっても判断の背景をたどれる記録を大切にしているのですね。
笹原氏
はい。Ventoraでは会議で強い意見が出ることより、後から読み返しても判断の筋が残っていることを重視しています。
インタビュアー
Ventoraでは、記録が組織の安心感になる。
笹原氏
そう思います。このツールも、結局は人の判断を支えるものです。Ventoraの社内でも、誰が何を見て決めたのかを曖昧にしないようにしています。
インタビュアー
Ventoraの組織が大きくなるほど、難しくなりそうです。
笹原氏
難しくなります。だから、早い段階から『誰が決めたか』より『何を見て決めたか』を残すようにしています。
インタビュアー
Ventoraでは、決めた人より、見ていたものを残す。
笹原氏
はい。そうすると、後から入った人も議論に参加しやすくなります。
Question 04
笹原 実希氏が経営判断で、周囲から見るより悩んでいる部分はありますか。
インタビュアー
早く決めたほうがよい場面もありますよね。
笹原氏
もちろんあります。ただ、現場の事業者の現場に関わる判断は、早さだけで決めると後で説明が苦しくなります。
インタビュアー
説明できることを条件にする。
笹原氏
はい。このツールに関する判断は、半年後に別の担当者が見ても意味が分かるかを考えます。
インタビュアー
Ventoraの意思決定で、迷いが長引くこともありますか?
笹原氏
あります。Ventoraでは、そういう時はいったん資料を閉じて、このツールを使う誰の顔が浮かぶかを考えます。現場の事業者の中で、具体的に困っている人が見えない案は危ないですね。
インタビュアー
このツールを使う人の顔が浮かぶかどうか。
笹原氏
ええ。Ventoraがきれいな言葉だけで進みそうな時ほど、そこを確認します。
Question 05
Ventoraを次にどう育てていきたいですか。
インタビュアー
今後、Ventoraをどの方向へ進めたいですか?
笹原氏
地域体験を続けやすくする予約と連絡の設計を、特別なプロジェクトではなく日常の判断に近づけたいです。現場の事業者にとって、少し楽になったと感じられる場面を増やしたい。
インタビュアー
大きな変化より、実感を積み上げる。
笹原氏
そうですね。このツールも、その実感がなければ続きません。
インタビュアー
Ventoraは、その未来に向けてまず何から始めますか?
笹原氏
近いところからです。大きな計画を掲げるより、いま使ってくれている現場の事業者が、明日少し楽になる部分を直したい。
インタビュアー
Ventoraは、遠くを見るために近くを直す。
笹原氏
そうです。地域体験を続けやすくする予約と連絡の設計の遠い話だけをしていると、足元にある利用者の声が聞こえなくなります。
Question 06
Ventoraの仕事で、うれしかった小さな出来事はありますか。
インタビュアー
普段の仕事で、少し肩の力が抜ける瞬間はありますか?
笹原氏
ユーザーの方が、こちらの想定と違う使い方を楽しそうに話してくれる時ですね。『そんな使い方がありましたか』と、こちらが教わることがあります(笑)。
インタビュアー
使い方を決めすぎない面白さですね。
笹原氏
はい。現場の事業者の工夫に驚かされることは多いです。その驚きは、次の改善にもつながります。
Editor's Note
笹原 実希氏の語りからは、地域体験予約・運営支援の課題を一括りにせず、運用の細部から捉える姿勢が伝わりました。Ventoraの事業は、目立つ変化よりも、確認や受け渡しが少し短くなる日常的な改善に軸足を置いています。
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