CEO Edition
久我 智也氏のポートレート
CEO Edition 2022

Tomoya Kuga

久我 智也

Founder / CEO / ネストレイ

家庭内タスクを責任ではなく対話で扱う設計を掲げるネストレイ。小さな確認や迷いをすくい上げる、落ち着いた事業運営に迫る。

Year
2022
Role
Founder / CEO
Industry
家庭内タスク共有サービス
Tags
家庭内タスク共有サービス事業設計組織づくり

Profile Summary

Profile

ネストレイで家事と生活予定を共有するコミュニケーションノートを手がける久我 智也氏は、家庭のタスクが見えない負担として片方に寄りがちだったという出来事から事業の輪郭をつかみました。重視するのは、共働き世帯、家族の予定管理に悩む生活者が新しい仕組みに合わせることではなく、仕組みの側が実務の順番を理解することです。会議の冒頭で、結論より前提の違いを確かめる姿勢を通じて、担当者が変わっても判断の背景をたどれる組織を作っています。

Company Focus

家事と生活予定を共有するコミュニケーションノートを展開するネストレイは、家庭内タスク共有サービスにおける小さな手戻りや確認待ちに目を向けています。共働き世帯、家族の予定管理に悩む生活者が本来の仕事へ集中できるよう、情報の置き場と受け渡し方を整えることが事業の役割です。家事と生活予定を共有するコミュニケーションノートでは例外対応を隠さず、ネストレイの次の判断材料として残せる仕組みを整えています。

Business Focus

ネストレイは家庭内タスクを責任ではなく対話で扱う設計に注力しています。重視するのは、共働き世帯、家族の予定管理に悩む生活者が説明を受けた直後ではなく、時間がたった後にも自分たちで扱えることです。一部の熟練者だけが分かる状態を完成形にしないという判断軸が、仕様を増やしすぎないための基準になっています。

Leadership Note

久我 智也氏の判断は、会議の冒頭で、結論より前提の違いを確かめる姿勢から始まります。特に一部の要望だけで全体の手順を変えそうな局面では、案の分かりやすさよりも、半年後に別の担当者が見て意味を理解できるかを確認します。久我 智也氏は決定後の動きを曖昧にしない一方、決める前の異論には時間を使います。

Interview

Q&A

Question 01

ネストレイは、どんな違和感から始まったのでしょうか。

インタビュアー

家庭のタスクが見えない負担として片方に寄りがちだったという経験を、どのように受け止めましたか。

久我氏

当時は、問題が見えているのに前に進みにくい理由を考えていました。利用する方の会話にはヒントが多いのですが、忙しい日常の中では、それが次の判断まで残りにくい。

インタビュアー

ネストレイでは、現場の会話を事業の材料として見ていたのですね。

久我氏

はい。このノートは、会話の温度を失わずに業務へ渡すための形です。ネストレイの仕事は、そこを丁寧につなぐことから始まりました。

インタビュアー

ネストレイの原点は、周囲に説明しづらい課題だったのではないですか?

久我氏

説明しづらかったですね。家庭内タスク共有サービスの大きな課題として語る前に、利用する方が言葉を止める場面を見ていました。ネストレイが注目したのは、目立つ不満より、確認のたびに小さく手が止まるところです。

インタビュアー

ネストレイは、課題名になる前の停滞を見ていた。

久我氏

そうです。そこを見逃すと、このノートも整って見えるだけのものになります。ネストレイでは、格好よく説明することより、実際に起きていることから離れないようにしました。

Question 02

ネストレイで、いま最も手を入れている部分はどこですか。

インタビュアー

ネストレイが家庭内タスクを責任ではなく対話で扱う設計を進めるうえで、難しい点は何でしょう。

久我氏

便利に見せることはできますが、運用に残すのは別の話です。利用する方が忙しいときにも使えるか、説明なしで意味が通るかをかなり見ています。

インタビュアー

このノートには、忙しい場面での耐久性が必要なのですね。

久我氏

はい。このノートは、余裕があるときだけ使えるものでは足りません。家庭内タスクを責任ではなく対話で扱う設計を支えるなら、むしろ慌ただしい時間に邪魔にならないことが大事です。

インタビュアー

ネストレイが、まだ足りないと感じている部分はありますか?

久我氏

あります。ネストレイのチームが分かりやすいと思った言葉でも、利用する方には少しよそよそしく聞こえることがある。このノートの案内は何度も直しています。

インタビュアー

ネストレイでは、言葉づかいも設計の一部なのですね。

久我氏

本当にそうです。このノートの短い表現一つでも、利用する人が急かされていると感じることがありますから。

Question 03

ネストレイのチームづくりで、最近あらためて大事だと思ったことはありますか。

インタビュアー

チームに求めている姿勢はありますか?

久我氏

小さな違和感を流さないことです。利用する方の仕事を見ていると、ほんの少しの言葉のずれが後で大きな手戻りになることがあります。

インタビュアー

細部を見る力ですね。

久我氏

はい。会議の冒頭で、結論より前提の違いを確かめる姿勢という姿勢は、社外向けの言葉ではなく、普段のレビューや会話の中で試されるものだと思っています。

インタビュアー

ネストレイの社内は、わりと静かなタイプですか?

久我氏

静かですが、淡々としているわけではありません。ネストレイではこのノートの細部で急に盛り上がることがあります(笑)。ネストレイらしく、文言を一行直すだけで二十分くらい話すこともあります。

インタビュアー

ネストレイらしい細かさですね。

久我氏

でも、その一行で利用する方の受け取り方が変わるなら、十分話す価値があります。

Question 04

家庭内タスク共有サービスで意思決定する難しさはどこにありますか。

インタビュアー

判断の基準はチームにも共有していますか?

久我氏

しています。ただ、標語のように覚えるものではなく、案件ごとに確認します。一部の要望だけで全体の手順を変えそうなときは、特に言葉を省かないようにしています。

インタビュアー

省略しないことが大事なのですね。

久我氏

はい。家庭内タスク共有サービスでは、少しの省略が後の誤解につながることがあります。

インタビュアー

ネストレイが決める前に、必ず見るものはありますか?

久我氏

このノートに触れる最初の三分です。ネストレイでは、利用する方が何を見てどこで止まりそうか、その入口を想像してから決めます。

インタビュアー

このノートに触れる最初の三分ですか?

久我氏

はい。このノートを長く使った時の価値も大事ですが、利用する方が入口で置いていかれたら、その先まで届きません。

Question 05

ネストレイで、数年後も変えたくないものはありますか。

インタビュアー

次の段階では、何を磨きたいですか?

久我氏

受け渡しのしやすさです。このノートが担当者の中だけで完結すると、組織の知恵になりません。

インタビュアー

個人の工夫を組織に渡す。

久我氏

そうです。利用する方の工夫を無理に型へ押し込まず、次の人が使える形にする。それがネストレイの次の仕事です。

インタビュアー

ネストレイが、これからも変えない軸は何でしょう。

久我氏

ネストレイが変えないのは、相手の仕事を勝手に単純化しないことです。家庭内タスク共有サービスでは、外から見ると小さな手順にも理由があることが多い。

インタビュアー

このノートで便利にする前に、今の手順にある理由を見る。

久我氏

はい。その理由を見ないまま家庭内タスクを責任ではなく対話で扱う設計を進めると、たぶん長くは続きません。

Question 06

ネストレイらしい、ちょっとした日常の風景を教えてください。

インタビュアー

ネストレイの仕事をしていて、うれしい瞬間はどこですか?

久我氏

利用する方の方が、このノートの説明を少し自分の言葉に変えて話してくれた時です。ネストレイの側から、ちゃんと手渡せたんだなと思います。

インタビュアー

このノートが、利用者自身の言葉になった瞬間。

久我氏

はい。そこまで行くと、このノートは単なる外から来た道具ではなくなります。

Editor's Note

家庭のタスクが見えない負担として片方に寄りがちだったという原点を、久我 智也氏は現在の事業判断にも具体的に結びつけています。久我 智也氏の言葉には、事業を急いで拡大する前に、家事と生活予定を共有するコミュニケーションノートが現場へ残る条件を確かめようとする慎重さがありました。

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