CEO Edition
真壁 颯氏のポートレート
CEO Edition 20242024 Grand Focus

Hayate Makabe

真壁 颯

Founder / CEO / Nexply

営業は、商談が終わってからも続いている。確認、引き継ぎ、次回行動のあいだに残る摩擦を整える真壁颯のワークフロー設計。

Grand Focusは、各年のグランプリを受賞された人物を通常プロフィールより深堀りする特集枠です。本ページでは、事業の背景、組織づくり、意思決定の過程まで踏み込んで紹介します。

Year
2024
Role
Founder / CEO
Industry
営業後ワークフロー自動化
Tags
営業後ワークフロー自動化事業設計組織づくり

Profile Summary

Profile

真壁颯氏が率いるNexplyは、営業後の確認、引き継ぎ、次回行動を整理するワークフローを提供している。商談そのものは記録されても、その後に何を確認し、誰へ渡し、次にどの一手を打つのかは、担当者の経験やメモに依存しやすい。

真壁氏が見ているのは、営業活動と運用引き継ぎの間にある薄い空白である。受注前後の期待値、顧客が不安に感じている点、社内で先に共有すべき前提。そうした情報が落ちると、営業の熱量は運用側に届かず、顧客理解も途切れてしまう。

真壁氏は、営業を数字の手前にある対話の仕事として見ている。商談中に顧客がふと口にした不安、言い換えた言葉、笑って流した違和感。そうした細部が、導入後の体験を大きく左右することがある。自身も営業から運用への引き継ぎで期待値を十分に渡せず、顧客の失望に向き合った経験があるという。

その経験以降、真壁氏は「速いが雑ではない」営業組織を目指してきた。返信や提案のスピードは重要だが、顧客の言葉を削りすぎた速さは後で戻ってくる。Nexplyは、営業担当者を管理するための表ではなく、顧客との約束を組織で忘れないための道具として設計されている。

2024 Grand Focusでは、営業を成果だけでなく関係の継続として捉える真壁氏の視点、チーム設計、そしてAI時代の営業後ワークフローについて深く聞いた。

Company Focus

Nexplyは、営業後の事務作業を整理し、カスタマー担当や事業推進へ引き継ぐためのワークフローを手掛ける。商談メモを保存するだけではなく、次に確認すべきこと、社内で共有すべき背景、顧客との約束を、行動に移しやすい形で扱う。

真壁氏は、営業支援を単なる効率化として見ていない。むしろ、営業がつくった顧客理解を組織の知識へ変える仕事だと捉えている。会話の熱量をその場限りにせず、運用や支援の現場に渡すことが、Nexplyの中心にある。

Business Focus

Nexplyが注力するのは、営業活動と運用引き継ぎをつなぐ実装設計である。営業後には、見積、契約、導入準備、サポート、追加提案など複数の動きが重なる。担当者が一つひとつ覚えている間は回っても、人数が増えるほど抜け漏れが起きやすくなる。

真壁氏は、ワークフローを厳格な管理表にしすぎない。営業には人間同士の会話があり、顧客ごとの事情がある。だからこそ、残すべき情報と任せるべき余白を分ける。Nexplyは、営業の自由さを奪わず、後工程が迷わないだけの道筋をつくろうとしている。

Leadership Note

真壁氏のリーダーシップは、速さと丁寧さの切り替えにある。営業現場では、返信や提案の速さが重要になる。一方で、引き継ぎや期待値調整を雑にすると、後で大きな手戻りになる。

社内では、顧客の発言をそのまま保存するだけでなく、その背景にある不安や判断材料を見ようとする。数字だけで商談を見ないこと。会話の余白に残る違和感を軽く扱わないこと。その姿勢が、真壁氏の組織づくりを支えている。

Interview

Q&A

Question 01

Nexplyを始めたきっかけを教えてください。

インタビュアー

Nexplyを始めたきっかけを教えてください。

真壁

営業の仕事は、商談が終わった瞬間に終わるわけではないと感じていました。むしろ、その後の確認や引き継ぎで顧客体験が決まることがあります。

インタビュアー

商談後の時間に注目したのですね。

真壁

はい。商談中は熱量があります。でも、その熱量が社内にうまく渡らないと、運用側は顧客の背景を知らないまま動くことになる。そこに大きなもったいなさを感じました。

Question 02

真壁さんご自身は、どのような経験からNexplyへ向かったのでしょうか。

インタビュアー

真壁さんご自身は、どのような経験からNexplyへ向かったのでしょうか?

真壁

もともと営業の仕事が好きでした。初対面の人と話して、相手の中でまだ整理されていない困りごとが少しずつ言葉になっていく瞬間が好きだったんです。

インタビュアー

営業を、売る仕事というより対話の仕事として見ていた。

真壁

そうですね。ただ、営業が好きだったからこそ、商談後に熱量が落ちてしまう場面が気になりました。商談中はすごく良い会話ができたのに、社内に戻ると数行のメモになってしまう。

インタビュアー

会話の豊かさが、社内では薄くなる。

真壁

はい。顧客が少し迷っていたこと、言いにくそうにしていたこと、こちらが次回までに確認すべきこと。そういうものが、案件名と金額と次回予定だけでは伝わらないんです。

インタビュアー

そこに違和感があった。

真壁

かなりありました。営業担当者の努力が、引き継ぎのところで半分くらいこぼれているように感じたんです。Nexplyは、そのこぼれ方を減らしたいというところから始まっています。

営業後の業務設計について語る真壁 颯氏
商談後の引き継ぎと顧客理解の残し方について、具体例を交えて話す真壁 颯氏。

Question 03

営業の仕事で、真壁さん自身が失敗した経験はありますか。

インタビュアー

営業の仕事で、真壁さん自身が失敗した経験はありますか?

真壁

あります。昔、商談ではかなり盛り上がったのに、導入後に顧客から『聞いていた感じと違う』と言われたことがありました。

インタビュアー

それは重いですね。

真壁

重かったです。嘘をついたつもりはありませんでした。ただ、商談中に顧客が何を期待していたのか、どこに不安を残していたのかを、社内に十分渡せていなかった。

インタビュアー

約束の解像度が足りなかった。

真壁

そうです。私は分かっているつもりでした。でも、運用側は私の頭の中を見られません。顧客も、営業に話したことが会社全体に伝わっていると思っていた。そこにズレがありました。

インタビュアー

その経験が残っている。

真壁

かなり残っています。営業は契約を取ったら終わりではないと頭では分かっていましたが、そのとき身体で分かりました。

インタビュアー

身体で分かった。

真壁

はい。顧客の失望した顔は、なかなか忘れません。だから今も、営業後の引き継ぎを軽く見られないんです。

Question 04

真壁さんの個性として、速さと細かさが同居している印象があります。

インタビュアー

真壁さんの個性として、速さと細かさが同居している印象があります。

真壁

よく言われます。話すのも決めるのも速い方だと思います。ただ、細かいことを見ない速さは怖いとも思っています。

インタビュアー

速いだけではない。

真壁

はい。営業では、速い返信や素早い提案が信頼につながることがあります。でも、顧客の前提を一つ落としたまま速く進むと、あとで大きく戻ります。

インタビュアー

速さの質が問われる。

真壁

そうです。速いけれど雑ではない、という状態をつくりたい。Nexplyでもそこを大切にしています。

インタビュアー

社内でも同じことを言いますか?

真壁

言います。『早く出そう。ただし、顧客の言葉は削らないで』というようなことはよく言います。要約は必要ですが、消してはいけない言葉があります。

インタビュアー

削らない言葉を見極める。

真壁

そこが営業後ワークフローの肝だと思っています。

タブレットを手に説明する真壁 颯氏
営業現場と運用チームの接続について、取材中に考えを整理する真壁 颯氏。

Question 05

最初のNexplyは、今と違う形だったのでしょうか。

インタビュアー

最初のNexplyは、今と違う形だったのでしょうか?

真壁

かなり違いました。最初は引き継ぎチェックリストに近いものでした。顧客の課題、予算、決裁者、次回予定、導入条件。きれいに項目を並べていました。

インタビュアー

それだけ聞くと、必要なものに見えます。

真壁

必要ではあります。ただ、それだけだと営業の会話が死んでしまうんです。項目を埋めることが目的になり、顧客がなぜその言葉を使ったのかが残らない。

インタビュアー

チェックリストでは足りなかった。

真壁

足りませんでした。ある営業担当者の方に『これは提出用の書類みたいですね』と言われたことがあります。自分の次の商談を助けるメモではなく、誰かに出すための報告に見えたんです。

インタビュアー

管理感が出てしまった。

真壁

そうです。営業の人は管理されるためにメモを書くわけではありません。顧客を理解するため、次に良い会話をするために書く。その感覚へ戻す必要がありました。

インタビュアー

そこから今の形へ変わった。

真壁

はい。項目を減らし、自由記述を残し、顧客の言葉と営業の受け止めを分けるようにしました。管理表から、次の会話の準備へ寄せたんです。

Question 06

顧客の言葉を残すことと、社内で読みやすくすることはぶつかりませんか。

インタビュアー

顧客の言葉を残すことと、社内で読みやすくすることはぶつかりませんか。

真壁

ぶつかります。顧客の言葉をそのまま残しすぎると長くなりますし、読み手が迷うこともあります。逆に短くまとめすぎると、温度が消えます。

インタビュアー

どちらも必要ですね。

真壁

必要です。だから、Nexplyでは原文に近い言葉と、営業側の短い受け止めを分けて扱う考え方を大事にしています。

インタビュアー

原文と受け止め。

真壁

はい。たとえば顧客が『社内説明が少し不安です』と言ったとします。それを『導入意欲は低い』とまとめてしまうと違うかもしれない。単に説明資料が必要なだけかもしれません。

インタビュアー

言い換えで意味が変わる。

真壁

変わります。営業後の情報は、その言い換えの危うさを含んでいます。だから、AIを使うときも、きれいにしすぎないことを意識しています。

インタビュアー

きれいにしすぎないAI活用。

真壁

そうです。読みやすくするけれど、勝手に決めつけない。そこが大事です。

Question 07

営業マネージャーから見ると、Nexplyにはどんな意味がありますか。

インタビュアー

営業マネージャーから見ると、Nexplyにはどんな意味がありますか?

真壁

数字の手前を見るための道具だと思っています。売上や商談数は大事ですが、その手前で顧客がどこに迷っているか、営業担当者が何に詰まっているかを見る必要があります。

インタビュアー

結果だけでは、育成も改善も難しい。

真壁

そうです。結果だけを見ると、うまくいった人を褒め、うまくいかなかった人に頑張ろうと言うだけになりがちです。でも本当は、質問の順番がよかったのか、導入後の不安を拾えたのか、次回の約束が曖昧だったのかを見たい。

インタビュアー

かなり具体的な振り返りになりますね。

真壁

具体的になります。マネージャーが『この顧客はどこで迷っていると思う』と聞けるようになる。それだけで会話が変わります。

インタビュアー

管理というより、対話の材料。

真壁

はい。Nexplyを詰める道具にはしたくありません。営業担当者が顧客をどう見ているかを一緒に考える材料にしたいです。

インタビュアー

そこは強く意識している。

真壁

かなり意識しています。営業支援の道具が営業担当者を萎縮させたら、本末転倒ですから。

Question 08

Nexplyの組織には、どんな人が合いますか。

インタビュアー

Nexplyの組織には、どんな人が合いますか?

真壁

顧客の言葉に引っかかれる人です。きれいにまとめる前に、『今の一言、少し気になるな』と思える人。

インタビュアー

違和感を拾える人。

真壁

そうです。営業やカスタマーサクセスの現場では、顧客が本音をそのまま言うとは限りません。少し間が空く、言い換える、笑って流す。そこに意味があることがあります。

インタビュアー

プロダクト側にも、その感覚が必要ですか?

真壁

必要です。顧客の言葉を扱うプロダクトなので、開発する人も文章や会話に敏感であってほしい。もちろん全部を深読みする必要はありませんが、言葉を雑に扱わない人が合います。

インタビュアー

営業会社というより、言葉を扱う会社でもある。

真壁

そう思っています。営業の本質は、相手の言葉を受け取って、次の行動へ変えることでもありますから。

インタビュアー

真壁さん自身も、言葉にかなりこだわりますね。

真壁

こだわりますね。たまに社内では細かいと言われます(笑)。でも、顧客の言葉を一つ間違えると、次の行動も変わってしまいますから。

Question 09

今後、Nexplyは営業のどこまで関わるのでしょうか。

インタビュアー

今後、Nexplyは営業のどこまで関わるのでしょうか?

真壁

商談前、商談中、商談後の全部に関心はあります。ただ、私たちの入口はやはり商談後です。そこが一番こぼれやすいと感じているからです。

インタビュアー

まずは商談後を深める。

真壁

はい。商談後の情報が整うと、次の商談前にも効いてきます。前回の不安、顧客の社内事情、次に確認すべきことが見えるからです。

インタビュアー

商談後を整えることが、商談前の準備にもなる。

真壁

そうです。営業活動は一本の線ではなく、会話の連続です。前回の会話をどう受け取ったかが、次回の会話を決めます。

インタビュアー

その連続性を支える。

真壁

はい。将来的には、営業担当者が顧客との関係をより長く、深く見られるようにしたいです。ただ、顧客を管理するというより、約束と理解を忘れないための仕組みにしたい。

インタビュアー

管理ではなく、忘れないための仕組み。

真壁

その言い方が近いですね。営業は人間同士の仕事なので、忘れないこと自体が誠実さになる場面があります。

Question 10

営業後ワークフローとは、具体的に何を整理するものですか。

インタビュアー

営業後ワークフローとは、具体的に何を整理するものですか?

真壁

次に確認すること、社内に渡すこと、顧客と約束したことを整理します。単なるメモではなく、次の行動に変わる形にすることが重要です。

インタビュアー

記録ではなく、行動につながる必要がある。

真壁

そうです。きれいな議事録が残っていても、誰が何をするかが曖昧なら意味がありません。

Question 11

営業現場では、どのような抜け漏れが起きやすいのでしょうか。

インタビュアー

営業現場では、どのような抜け漏れが起きやすいのでしょうか?

真壁

顧客が少し不安そうに話していたことや、導入前に社内で確認しておくべき前提です。数字や条件は残りやすいのですが、温度感は落ちやすい。

インタビュアー

温度感をどう扱うかが難しい。

真壁

はい。主観的すぎると使いにくい。でも完全に削ると、後工程が顧客を理解しにくくなります。

Question 12

NexplyではAIをどのように使っていますか。

インタビュアー

NexplyではAIをどのように使っていますか?

真壁

会話やメモから次に確認すべきことを拾う補助に使います。ただ、AIが勝手に営業判断をするというより、人が見落としやすい論点を横に置いてくれるイメージです。

インタビュアー

判断を任せるのではなく、確認の視点を増やす。

真壁

そうですね。営業には関係性があります。そこは人が見なければいけません。

Question 13

Grand Focusとして深く伺います。営業をどう定義していますか。

インタビュアー

Grand Focusとして深く伺います。営業をどう定義していますか?

真壁

売る仕事というより、顧客の中にあるまだ整理されていない課題を一緒に言葉にする仕事だと思っています。だから、商談後に残る言葉にも価値があります。

インタビュアー

言葉にしたものを、組織へ渡す必要がある。

真壁

はい。営業担当者の中だけに残ると、組織としては学べません。Nexplyはそこを扱いたいんです。

Question 14

引き継ぎを標準化しすぎる怖さはありますか。

インタビュアー

引き継ぎを標準化しすぎる怖さはありますか?

真壁

あります。項目を埋めることが目的になると、顧客の話から離れます。標準化は必要ですが、会話の余白を消してはいけない。

インタビュアー

自由記述も重要になる。

真壁

重要です。ただ自由すぎると読まれません。その中間を探しています。

Question 15

チームづくりでは何を大切にしていますか。

インタビュアー

チームづくりでは何を大切にしていますか?

真壁

速く動くことと、雑にしないことを両方求めます。営業支援の領域では、スピードだけでは信頼が残りません。

インタビュアー

速いけれど、前提は落とさない。

真壁

はい。前提を落とした速さは、あとで誰かの負担になります。

Question 16

商談後の顧客理解は、どうすれば組織に残りますか。

インタビュアー

商談後の顧客理解は、どうすれば組織に残りますか?

真壁

顧客の言葉と、こちらがどう受け止めたかを分けて残すことです。事実と解釈が混ざると、後から読む人が判断しにくくなります。

インタビュアー

事実と解釈を分ける。

真壁

はい。これは地味ですが、引き継ぎの質をかなり左右します。

Question 17

現場から反発が出ることはありますか。

インタビュアー

現場から反発が出ることはありますか?

真壁

あります。営業担当者からすると、入力が増えるように見えることがありますから。

インタビュアー

そこはどう乗り越えるのでしょう。

真壁

入力をお願いするのではなく、あとで自分が楽になる体験をつくることです。次回商談の前に、前回の温度感がすぐ戻ってくる。そこまで感じてもらえると変わります。

Question 18

Nexplyで今後深めたいテーマは何ですか。

インタビュアー

Nexplyで今後深めたいテーマは何ですか?

真壁

営業後の学習です。商談が終わったあと、うまくいった理由や迷った理由を組織が学べるようにしたいです。

インタビュアー

個人の経験を、組織の学習に変える。

真壁

そうです。営業は個人技に見えますが、学べる部分はたくさんあります。

Question 19

真壁さんにとって、よい営業組織とは何でしょうか。

インタビュアー

真壁さんにとって、よい営業組織とは何でしょうか?

真壁

売れた理由だけでなく、迷った理由も残せる組織です。うまくいかなかった商談にも、次に活かせる情報があります。

インタビュアー

成功だけを見ない。

真壁

はい。成功だけを見ると、同じ条件がそろわないと再現できません。迷いまで見たほうが、組織は強くなります。

Question 20

営業後の仕事に注目した背景を、もう少し教えてください。

インタビュアー

営業後の仕事に注目した背景を、もう少し教えてください。

真壁

営業の現場では、商談そのものは注目されやすいんです。提案、クロージング、数字。そこは分かりやすい。でも、顧客が本当に困るのは、その後に約束が曖昧になったときです。

インタビュアー

商談後に信頼が揺らぐことがある。

真壁

あります。営業担当者は熱心に話したのに、社内に伝わった内容が薄い。運用側は悪気なく標準的な対応をする。顧客から見ると『あの話は何だったのか』となってしまう。

インタビュアー

そこに顧客体験の分かれ目があるのですね。

真壁

はい。営業後の引き継ぎは、裏方に見えます。でも顧客からすると、そこからが本番でもあります。

Question 21

商談メモとNexplyの違いはどこにありますか。

インタビュアー

商談メモとNexplyの違いはどこにありますか?

真壁

商談メモは、話した内容を残すものです。Nexplyが見ているのは、その内容を次の行動に変えるところです。

インタビュアー

記録だけでは終わらない。

真壁

はい。顧客が不安に思っていたこと、社内で確認すべきこと、次回までに準備すること。そうしたものが抜けずに次へ渡ることが大事です。

インタビュアー

誰が読んでも動ける状態をつくる。

真壁

そうです。きれいな文章より、次に迷わないことを重視しています。

Question 22

CRMや営業管理ツールがある中で、なぜ別の視点が必要なのでしょうか。

インタビュアー

CRMや営業管理ツールがある中で、なぜ別の視点が必要なのでしょうか?

真壁

CRMは大切です。ただ、営業管理の項目は、どうしても案件の進捗や数値に寄りやすい。顧客の不安や社内引き継ぎの細かい前提は、欄があっても十分に読まれないことがあります。

インタビュアー

入力されても、次の人に届かない。

真壁

そうです。情報があることと、使われることは別です。Nexplyは、商談後に誰が何を見るべきかを意識してつくっています。

インタビュアー

営業管理というより、営業後の仕事の整理なのですね。

真壁

はい。管理するためではなく、顧客への約束を組織で守るための道具です。

Question 23

営業担当者に入力をお願いするのは難しくありませんか。

インタビュアー

営業担当者に入力をお願いするのは難しくありませんか。

真壁

難しいです。営業担当者は忙しいですし、商談後すぐ次の予定に向かうことも多い。そこで長い入力を求めても続きません。

インタビュアー

入力してください、では動かない。

真壁

動かないですね。だから、入力というより『次回の自分を助けるメモ』に近づけています。次の商談前に前回の空気がすぐ戻ると、営業担当者自身にもメリットがあります。

インタビュアー

自分のためになる感覚が必要。

真壁

はい。会社のためだけに書けと言われると重いですが、明日の自分が助かるなら続きやすいんです。

Question 24

顧客の温度感を残すとき、主観が入りすぎる心配はありませんか。

インタビュアー

顧客の温度感を残すとき、主観が入りすぎる心配はありませんか。

真壁

あります。だから、顧客が実際に言ったことと、営業担当者が感じたことを分けて残すようにしています。

インタビュアー

事実と受け止めを分ける。

真壁

はい。『予算が不安と言っていた』と『導入に慎重そうだった』は近いようで違います。前者は発言、後者は受け止めです。両方大事ですが、混ざると後から読む人が判断しにくい。

インタビュアー

そこまで分けると、後工程も動きやすくなる。

真壁

そう思います。営業の感覚を消すのではなく、読み手が扱いやすい形にすることが大切です。

Question 25

AIは営業担当者の言葉をどこまで補えますか。

インタビュアー

AIは営業担当者の言葉をどこまで補えますか?

真壁

要約や抜け漏れの確認には役立ちます。ただ、AIが勝手に顧客の気持ちを決めつけるのは危ないと思っています。

インタビュアー

便利さと危うさが両方ある。

真壁

そうですね。商談には表情や間合い、関係性があります。録音やメモに残る情報だけで全部を判断すると、ずれることがあります。

インタビュアー

では、AIはどんな役割が向いていますか?

真壁

『この確認は残っていますか』『次回までの約束は明確ですか』と横から知らせる役割です。営業担当者の代わりに話すのではなく、忘れ物を減らす相棒のような位置です。

Question 26

カスタマーサクセスや運用チームとの関係も重要ですね。

インタビュアー

カスタマーサクセスや運用チームとの関係も重要ですね。

真壁

とても重要です。営業が約束したことを、導入後に誰がどう受け止めるか。そこがつながっていないと、顧客は不安になります。

インタビュアー

営業と運用の間に、見えない段差がある。

真壁

あります。営業は前向きな話をしますし、運用は現実的な条件を見ます。どちらも必要ですが、段差が大きいと顧客に負担が出ます。

インタビュアー

Nexplyは段差を小さくする役割ですか?

真壁

そうです。営業が感じた期待や懸念を、運用側が扱える情報にする。顧客に同じ話を何度もしてもらわないためにも大切です。

Question 27

現場で笑いが起きるような、印象的な場面はありますか。

インタビュアー

現場で笑いが起きるような、印象的な場面はありますか?

真壁

あります。ある営業担当者の方が、Nexplyを見ながら『これ、昨日の自分より覚えてますね』と言ったことがありました(笑)。

インタビュアー

それはかなり率直ですね。

真壁

営業は一日に何件も商談しますから、全部を鮮明に覚えているのは難しいです。だから、道具が少し助けるだけで安心感が出ます。

インタビュアー

笑いながら使えるのはよいですね。

真壁

そうですね。管理されている感じではなく、『助かった』と思える道具にしたいです。営業の人は勘が鋭いので、嫌な管理感はすぐ伝わります。

Question 28

営業組織の学習は、どこから始まりますか。

インタビュアー

営業組織の学習は、どこから始まりますか?

真壁

振り返れる材料を残すところからです。なぜ受注できたのか、なぜ進まなかったのか、顧客はどこで迷ったのか。そこが残らないと、次の人が学べません。

インタビュアー

結果だけでは足りない。

真壁

はい。結果は大事ですが、結果だけを見ると再現しにくいです。良い商談には、事前準備、質問の順番、顧客の社内事情など、いくつもの要素があります。

インタビュアー

営業を個人技で終わらせない。

真壁

そうしたいです。もちろん個人の魅力や経験は残ります。でも、学べる部分を組織で共有できれば、チーム全体が強くなります。

Question 29

営業後の記録が、顧客への誠実さにもつながるのでしょうか。

インタビュアー

営業後の記録が、顧客への誠実さにもつながるのでしょうか?

真壁

つながると思います。顧客が話してくれたことを、社内で忘れない。約束したことを曖昧にしない。それは営業テクニック以前の誠実さです。

インタビュアー

記録は社内向けでありながら、顧客のためでもある。

真壁

そうです。顧客からすると、会社の中で誰が担当しているかは関係ありません。一度話したことが組織に伝わっていると感じられるかどうかが大事です。

インタビュアー

そこが信頼になる。

真壁

はい。派手な提案より、話したことをちゃんと覚えていることの方が信頼につながる場面は多いと思います。

Question 30

チーム内で、急いでいるときの品質をどう守っていますか。

インタビュアー

チーム内で、急いでいるときの品質をどう守っていますか?

真壁

急いでいるときほど、残すべきことを絞ります。全部を丁寧に書くのは理想ですが、現実には時間がありません。だから、最低限これだけは残すという項目を決めています。

インタビュアー

完璧を求めすぎない。

真壁

はい。完璧を求めると、何も残らないことがあります。短くても、次の人が動ける情報が残っている方がよい。

インタビュアー

営業現場らしい現実感ですね。

真壁

営業は生き物みたいなところがあります。予定通りに進まない日もあります。だからこそ、現場に無理をさせない品質の守り方が必要です。

Question 31

Nexplyの組織では、どんな会話を大切にしていますか。

インタビュアー

Nexplyの組織では、どんな会話を大切にしていますか?

真壁

顧客の発言をすぐに分かった気にならないことです。『たぶんこういう意味だろう』で進めると危ない。少し引っかかった言葉を持ち帰って、チームで考えるようにしています。

インタビュアー

違和感を軽く扱わない。

真壁

そうです。営業でもプロダクトでも、違和感は早い段階の合図です。小さな違和感を拾えるチームでいたいですね。

インタビュアー

スピード感のある会社ほど、見逃しやすいところです。

真壁

だから意識して立ち止まります。走ることと、雑に進むことは違いますから。

Question 32

営業後の引き継ぎは、なぜ後回しにされやすいのでしょうか。

インタビュアー

営業後の引き継ぎは、なぜ後回しにされやすいのでしょうか?

真壁

商談が終わると、営業担当者は次の予定に向かいます。気持ちも次の顧客へ切り替わる。そこで、さっきの商談の細かな温度感を残す時間が抜けやすいんです。

インタビュアー

悪気があるわけではない。

真壁

まったくないです。むしろ忙しすぎるだけです。だから、引き継ぎを精神論にしてはいけないと思っています。

インタビュアー

忘れないでください、ではなく仕組みにする。

真壁

はい。商談直後に短く残せる、移動中でも確認できる、次の人が見たときに迷わない。そこまで用意しないと現場には残りません。

インタビュアー

営業の現実に合わせる必要がある。

真壁

そうです。営業は予定通りにいかない仕事ですから。

Question 33

顧客の言葉をそのまま残すことには、どんな意味がありますか。

インタビュアー

顧客の言葉をそのまま残すことには、どんな意味がありますか?

真壁

顧客の言葉には、社内の言い換えでは消えてしまう温度があります。『不安です』なのか、『少し気になっています』なのかで、受け止め方は変わります。

インタビュアー

営業側の解釈だけでは足りない。

真壁

はい。解釈は必要ですが、元の言葉も残したい。後から読む人が、営業担当者の受け止めを確認できるからです。

インタビュアー

言葉の鮮度を残すような感覚ですか?

真壁

近いです。顧客がどう言ったかは、意外と大事です。そこに意思決定の手がかりが入っていることがあります。

インタビュアー

営業後の情報は、文章の細部に宿るのですね。

真壁

そう思います。短い一言を雑に扱わないことが、後工程の質を変えます。

Question 34

失注した商談は、どのように扱うべきだと考えていますか。

インタビュアー

失注した商談は、どのように扱うべきだと考えていますか?

真壁

失敗として閉じないことです。もちろん悔しいですが、そこには次の商談に活かせる材料があります。

インタビュアー

どんな材料が残るのでしょうか?

真壁

顧客が最後まで迷った点、社内調整で止まった理由、こちらの説明が足りなかった部分。そうしたものは、受注した商談より学びが多いこともあります。

インタビュアー

失注理由を単純化しない。

真壁

はい。『価格が合わなかった』で終わらせると見えないことがあります。本当に価格だけだったのか、価値が伝わっていなかったのか、導入後の不安があったのか。そこを見たいです。

インタビュアー

営業組織の学びになりますね。

真壁

そうです。失注を責めるのではなく、次に向けた材料として扱える組織は強いと思います。

Question 35

営業の自由さと、組織としての再現性は両立できますか。

インタビュアー

営業の自由さと、組織としての再現性は両立できますか?

真壁

簡単ではありませんが、両立させたいです。営業には個人の持ち味があります。話し方、聞き方、間の取り方。それを全部同じにすると弱くなります。

インタビュアー

標準化しすぎると、営業らしさが消える。

真壁

そうです。ただ、全部が個人任せだと組織として学べません。だから、話し方ではなく、商談後に何を残すかをそろえる方が現実的です。

インタビュアー

表現は自由で、引き継ぎはそろえる。

真壁

はい。営業担当者の個性は残しながら、顧客への約束や不安は組織で受け止める。その線引きが大事です。

インタビュアー

Nexplyらしい考え方ですね。

真壁

営業を管理し切るのではなく、営業の良さが次の工程に伝わるようにしたいです。

Question 36

忙しい営業チームに導入するとき、最初に何を変えますか。

インタビュアー

忙しい営業チームに導入するとき、最初に何を変えますか?

真壁

最初に変えるのは、入力項目ではなく振り返りのタイミングです。商談直後に一分だけ残す、次回商談前に三十秒だけ見る。そういう小さな習慣から始めます。

インタビュアー

大きく業務を変えない。

真壁

はい。忙しいチームに新しい手順をたくさん持ち込むと、反発が出ます。まずは既存の流れにそっと入ることを考えます。

インタビュアー

そっと入る、ですか?

真壁

営業の一日は詰まっていますから。そこへ堂々と割り込むのではなく、『これならついでにできる』くらいの入り方がいいんです。

インタビュアー

現場の時間への敬意ですね。

真壁

そう思います。営業支援をするなら、営業の時間を粗末にしてはいけません。

Question 37

経営者として、急成長よりも守りたいものはありますか。

インタビュアー

経営者として、急成長よりも守りたいものはありますか?

真壁

顧客の信頼と、チームの観察力です。急いで広げると、どうしても見えなくなるものがあります。

インタビュアー

見えなくなるものとは何でしょうか?

真壁

顧客が少し困っている表情や、チームの中で誰かが感じた違和感です。数字だけを見ると順調でも、現場には小さなサインが出ていることがあります。

インタビュアー

営業後の情報にもつながる話ですね。

真壁

つながっています。Nexply自体も、そういう小さなサインを拾うための道具です。だから会社としても、そこを見失いたくない。

インタビュアー

会社のつくり方とプロダクトの思想が近い。

真壁

そうですね。自分たちが雑に進んでいたら、顧客に丁寧な引き継ぎを語れませんから。

Question 38

営業後の記録は、若手育成にも使えますか。

インタビュアー

営業後の記録は、若手育成にも使えますか?

真壁

使えます。若手の方は、うまい営業の結果だけを見ても学びにくいことがあります。なぜその質問をしたのか、顧客のどの言葉に反応したのかが見えると学びやすい。

インタビュアー

商談の裏側が教材になる。

真壁

はい。営業同行だけでは見えない部分があります。商談後に先輩が何を気にしていたのか、どこを次回の宿題にしたのか。それが残ると、学ぶ速度が変わります。

インタビュアー

育成の会話も具体的になりますね。

真壁

そうです。『もっと顧客を見よう』では抽象的ですが、『この発言の後に何を聞けたらよかったか』なら話し合えます。

インタビュアー

かなり実践的です。

真壁

営業は経験が大事ですが、経験を言葉にすることで若手に渡せる部分も増えます。

Question 39

Grand Focusとして、真壁さん自身の意思決定も聞かせてください。

インタビュアー

Grand Focusとして、真壁さん自身の意思決定も聞かせてください。

真壁

迷ったときは、顧客との約束を守りやすくなるかで考えることが多いです。機能を増やすかどうか、誰に売るか、どのチームを優先するか。最後はそこに戻ります。

インタビュアー

売上や見栄えではなく、約束を守れるか。

真壁

売上も見栄えも大事です。ただ、Nexplyが扱っているのは信頼の受け渡しです。そこから外れると、会社の軸がぶれます。

インタビュアー

信頼の受け渡し、という言葉は強いですね。

真壁

営業担当者が受け取った信頼を、社内の次の人に渡す。その途中でこぼれないようにする。そういう仕事だと思っています。

インタビュアー

事業の中心がよく分かります。

真壁

派手ではありませんが、顧客体験を支える大事な部分だと思っています。

Question 40

営業後の情報は、社内の力関係にも影響されますか。

インタビュアー

営業後の情報は、社内の力関係にも影響されますか?

真壁

影響されます。営業が強い会社では、営業の言葉がそのまま通りやすいことがあります。逆に運用側が強い会社では、営業の話が軽く見られることもあります。

インタビュアー

どちらかが正しいという話ではない。

真壁

そうです。営業には顧客との会話がありますし、運用には実際に提供する責任があります。どちらも必要です。ただ、情報の渡し方が悪いと、互いに不信感が生まれます。

インタビュアー

Nexplyは、その間に入るわけですね。

真壁

はい。営業の熱量をそのまま押し込むのではなく、運用側が扱える情報にする。運用側の現実を無視するのでもなく、顧客の期待を消さない。そこが難しいです。

インタビュアー

社内の翻訳でもある。

真壁

翻訳ですね。営業語、運用語、顧客の言葉は少しずつ違います。その違いを雑に混ぜると、後で揉めます。

インタビュアー

揉める前に整える。

真壁

そうしたいです。揉めてから議事録を探すより、最初から約束と前提が残っている方がいいですよね。

Question 41

AIによる要約が進むほど、逆に危険になる部分はありますか。

インタビュアー

AIによる要約が進むほど、逆に危険になる部分はありますか?

真壁

あります。AIは読みやすくまとめるのが得意ですが、読みやすさが正しさに見えてしまうことがあります。

インタビュアー

文章が整っていると、信じてしまう。

真壁

そうです。営業後の情報では、顧客が実際に言ったことと、こちらが推測したことを分ける必要があります。AIがきれいにまとめすぎると、その境界が見えにくくなることがあります。

インタビュアー

便利な一方で、確認が必要になる。

真壁

はい。だからNexplyでは、AIを最終判断者にしたいわけではありません。抜け漏れを示す、確認すべき点を出す、長いメモを読みやすくする。そこに価値があります。

インタビュアー

人が見る前提ですね。

真壁

必ず人が見ます。営業担当者やマネージャーが、自分の理解と照らし合わせる。そこを省くと危ないです。

インタビュアー

AI時代の営業支援として、かなり重要な線引きです。

真壁

そう思います。AIを使うほど、人が何を確認するかを決めておく必要があります。

Question 42

営業担当者がNexplyを嫌がる場面はありますか。

インタビュアー

営業担当者がNexplyを嫌がる場面はありますか?

真壁

あります。正直に言えば、最初は『また入力するものが増えるのか』と思われることがあります。

インタビュアー

その反応は自然ですね。

真壁

自然です。営業担当者はすでに多くのツールを使っています。そこに新しい作業が増えると思えば、警戒されます。

インタビュアー

どう乗り越えるのですか?

真壁

入力をお願いするのではなく、次の商談で助かる体験をつくることです。前回の顧客の言葉がすぐ戻る、確認漏れを思い出せる、運用側から同じことを聞かれにくくなる。そこで初めて価値を感じてもらえます。

インタビュアー

自分のためになる感覚が必要。

真壁

はい。会社の管理のためだけなら続きません。営業担当者自身が『これがあると話しやすい』と思えることが大事です。

インタビュアー

営業担当者への敬意が必要ですね。

真壁

必要です。営業の人は忙しい中で顧客と向き合っています。その時間を軽く見たら、営業支援とは言えません。

Question 43

真壁さんにとって、Nexplyが本当に価値を出したと言える瞬間は何ですか。

インタビュアー

真壁さんにとって、Nexplyが本当に価値を出したと言える瞬間は何ですか?

真壁

顧客が同じ説明を繰り返さなくて済んだときです。営業に話したことが、運用や支援の人にも伝わっている。顧客からすると、それだけでかなり安心できます。

インタビュアー

社内の連携が、顧客の体験に出る。

真壁

出ます。顧客は社内の部署の境界を意識していません。営業に話したのにサポートが知らない、という状態は不安になります。

インタビュアー

逆に、ちゃんと伝わっていると信頼になる。

真壁

そうです。『前回おっしゃっていた件ですね』と自然に続けられるだけで、顧客は覚えてくれていると感じます。

インタビュアー

それは営業だけではできない。

真壁

営業だけでは難しいです。組織で覚える必要があります。Nexplyがやりたいのは、会社として顧客を覚えている状態をつくることです。

インタビュアー

会社として顧客を覚える。

真壁

はい。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、それが信頼の基礎だと思っています。

Question 44

若い営業担当者に、真壁さんがよく伝えることはありますか。

インタビュアー

若い営業担当者に、真壁さんがよく伝えることはありますか?

真壁

商談中にうまく話そうとしすぎないことです。もちろん話す力は大事ですが、顧客の言葉を拾う前に自分の説明を重ねると、見えるものが減ります。

インタビュアー

話すより、聞く。

真壁

はい。ただ、聞くというのも黙っていればいいわけではありません。相手が言ったことを確認する、少し言い換えて返す、言葉に詰まったところを急がせない。そういう技術があります。

インタビュアー

営業後の記録にもつながりますね。

真壁

つながります。聞けていないことは残せません。残っていないことは組織に渡せません。だから、営業後ワークフローの品質は、商談中の聞き方から始まっています。

インタビュアー

Nexplyは商談後の道具だけれど、商談中の姿勢も問う。

真壁

そうです。商談後だけきれいにしても限界があります。顧客の言葉を受け取る姿勢があって、そのうえで記録や引き継ぎが活きます。

インタビュアー

真壁さん自身も、そこを学んできたのですね。

真壁

かなり失敗しながら学びました。若い頃は、良い提案を早く出したい気持ちが強すぎました。今は、相手がまだ言えていないことを待つ時間も営業だと思っています。

Question 45

Nexplyという会社を、どのような組織にしていきたいですか。

インタビュアー

Nexplyという会社を、どのような組織にしていきたいですか?

真壁

顧客の言葉を雑に扱わない組織にしたいです。営業、開発、サポート、どの立場でも、顧客が発した一言を軽く見ない。

インタビュアー

会社全体で言葉を見る。

真壁

はい。たとえばサポートに届いた問い合わせには、営業時点で拾えていたはずの不安が含まれていることがあります。開発への要望にも、顧客が本当に困っている場面が隠れていることがあります。

インタビュアー

部門ごとの情報をつなげる必要がある。

真壁

そうです。Nexply自身がそれをできていなければ、顧客に提供できません。だから社内でも、商談の話、導入後の話、問い合わせの話を分けすぎないようにしています。

インタビュアー

自社で実践することが重要ですね。

真壁

重要です。自分たちが顧客理解を分断していたら説得力がありません。営業後ワークフローを語る会社だからこそ、自分たちの中でも情報の渡し方にこだわりたい。

インタビュアー

最後は文化の話になりますね。

真壁

そう思います。ツールは形ですが、続くかどうかは文化です。顧客との約束を忘れない文化を、Nexply自身も育てていきたいです。

Question 46

最後に、Nexplyで実現したいことを教えてください。

インタビュアー

最後に、Nexplyで実現したいことを教えてください。

真壁

営業担当者が、顧客理解を一人で抱え込まなくてよい状態をつくりたいです。そして運用側も、営業から突然情報を渡されるのではなく、背景を持って動けるようにしたい。

インタビュアー

営業と運用の間をなめらかにする。

真壁

はい。顧客にとっては、社内の分担は関係ありません。組織全体で一つの理解を持てるようにしたいです。

Editor's Note

真壁氏の語りには、営業を短期の成果で閉じない視点がある。商談後の静かな作業にこそ顧客理解が残るという考え方は、営業組織と運用組織の関係を見直す手がかりになる。

Profile

真壁颯。Nexply Founder / CEO。営業後の確認、引き継ぎ、次回行動を整理するワークフローを展開。営業活動と運用引き継ぎの間にある情報の空白を捉え、顧客理解を組織に残す仕組みづくりに取り組む。

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