CEO Edition
香坂 美月氏のポートレート
CEO Edition 2021

Mitsuki Kosaka

香坂 美月

CEO / Sazarie

生活者、共働き世帯、家計を見直したい家庭の会話から始まった問いを、暮らしの見通しを軽くする習慣設計へ育てる。Sazarieの事業づくりを追う。

Year
2021
Role
CEO
Industry
暮らしの支出・予定管理
Tags
暮らしの支出・予定管理事業設計組織づくり

Profile Summary

Profile

香坂 美月氏が率いるSazarieは、日用品、支出メモ、予定をゆるくつなぐ生活管理ノートを通じて生活者、共働き世帯、家計を見直したい家庭の実務を支えています。事業のきっかけは「生活の管理ができていないことを責める道具になりがちだった」という経験でした。Sazarieでは、課題を大きな言葉へ置き換える前に、どんな確認が繰り返され、どこで判断が止まるのかを見ます。そうした観察を、暮らしの見通しを軽くする習慣設計へつなげてきたリーダーです。

Company Focus

暮らしの支出・予定管理を手がけるSazarieは、生活者、共働き世帯、家計を見直したい家庭の日々に日用品、支出メモ、予定をゆるくつなぐ生活管理ノートをどう組み込むかを考えてきました。Sazarieでは新しい操作を増やすより、確認の重複や情報の行き違いを減らすことを優先しています。日用品、支出メモ、予定をゆるくつなぐ生活管理ノートでは、導入直後の印象より、数か月後も無理なく続く運用を優先しています。

Business Focus

Sazarieは暮らしの見通しを軽くする習慣設計に注力しています。重視するのは、生活者、共働き世帯、家計を見直したい家庭が説明を受けた直後ではなく、時間がたった後にも自分たちで扱えることです。最初の一回で迷わないところから整えるという判断軸が、仕様を増やしすぎないための基準になっています。

Leadership Note

現場から戻ったメモを役職に関係なく読み直す文化を、香坂 美月氏は標語ではなく会議の進め方として扱っています。運用を決める前に画面や機能の話へ進みそうなときには、選ばなかった案とその理由も記録します。Sazarieでは結果だけでなく、チームが次の判断に使える材料まで共有します。

Interview

Q&A

Question 01

生活の管理ができていないことを責める道具になりがちだったという出来事を、当時どう受け止めましたか。

インタビュアー

事業の入口として、何が一番大きかったですか?

香坂氏

置き去りになっている実務の感覚です。生活の管理ができていないことを責める道具になりがちだったという出来事を通じて、利用する方が抱える違和感は、会議の資料になる頃にはかなり丸められてしまうと感じました。

インタビュアー

丸められる前の感覚を扱いたかった。

香坂氏

はい。このノートは、きれいに整理された結論だけでなく、そこに至る途中の気配まで残すためのものです。

インタビュアー

Sazarieを、すぐ形にしようとは思わなかったのですね。

香坂氏

思わなかったです。このノートを急いで形にすると、浅くなる気がしていました。生活の管理ができていないことを責める道具になりがちだったという出来事の後も、しばらくはノートに会話だけを書いていました。

インタビュアー

利用する方との会話を集めるところから。

香坂氏

はい。利用する方が何に困ったと言うかより、どこで言いよどむかを見ていました。そこにSazarieの事業の輪郭がありました。

Question 02

Sazarieの利用者から届いた反応で、最近印象に残ったものはありますか。

インタビュアー

現在は、暮らしの見通しを軽くする習慣設計に力を入れているのですね。

香坂氏

はい。ただ、テーマを大きく語りすぎると、使う人の手触りから離れます。いま見ているのは、利用する方が一日の中でどの順番で判断しているかです。

インタビュアー

業務の流れから見ている。

香坂氏

そうです。このノートは、画面や機能の数ではなく、その流れにきちんと乗るかで価値が変わります。

インタビュアー

Sazarieが最近、手応えを感じた場面はありましたか。

香坂氏

小さな場面ですが、このノートを使った後に『確認が一回で済みました』と言われたことがあります。Sazarieには、こういう具体的な一言のほうが大きな褒め言葉より残ります。

インタビュアー

このノートが生んだ、派手ではないけれど確かな変化ですね。

香坂氏

そうです。暮らしの見通しを軽くする習慣設計は、そういう小さな変化が積み重なって初めて意味を持つと思っています。

Question 03

Sazarieのチームづくりで、最近あらためて大事だと思ったことはありますか。

インタビュアー

リーダーとして、普段どんなことを見ていますか?

香坂氏

誰が黙っているかを見ます。利用する方の課題も、声の大きい部分だけ見ていると外します。社内でも同じで、言葉になっていない懸念を拾うことが大切です。

インタビュアー

静かな違和感を見逃さない。

香坂氏

はい。現場から戻ったメモを役職に関係なく読み直す文化は、方針として掲げるだけでは足りません。日々の打ち合わせで、どの問いを残すかに表れます。

インタビュアー

Sazarieのチーム内では、どんな言葉をよく使いますか?

香坂氏

『それ、相手の一日で考えた?』とはよく言います。Sazarieで利用する方の一日を想像せずに議論すると、どうしても作り手の都合が強くなります。

インタビュアー

このノートを、利用者の一日の中に置いて考える。

香坂氏

はい。Sazarieの机の上では正しく見えても、利用する時間帯やその時の忙しさに合わないことがあります。

Question 04

Sazarieの事業軸を守るために、あえて止めることはありますか。

インタビュアー

Sazarieが迷ったとき、何を手がかりにしますか?

香坂氏

このノートの変更で影響を最も受ける人を想像します。便利そうに見えても、Sazarieが利用する方の手元で仕事を増やすなら判断としては危うい。暮らしの支出・予定管理ではそこを外せません。

インタビュアー

Sazarieは、利用者の負担から逆算する。

香坂氏

そうです。暮らしの見通しを軽くする習慣設計を進めるときも、見栄えより運用後の呼吸を見ます。

インタビュアー

Sazarieで、やめる判断は前向きに受け止められますか?

香坂氏

簡単ではありません。でも、このノートで何かをやめたことで、利用する方の使いやすさを守れる場合もあります。Sazarieでは、増やせば良くなるとは考えず、引き算も経営判断に含めます。

インタビュアー

このノートを減らすことも経営判断ですね。

香坂氏

はい。Sazarieでは、減らした後にかえって使いやすくなることも多いです。

Question 05

Sazarieで、数年後も変えたくないものはありますか。

インタビュアー

Sazarieが今後も変えたくないものはありますか?

香坂氏

生活の管理ができていないことを責める道具になりがちだったという原点です。Sazarieが広がると抽象的な話も増えますが、最初に見た違和感を忘れるとこのノートの意味も変わってしまいます。

インタビュアー

このノートの原点へ戻ることを意識している。

香坂氏

はい。暮らしの見通しを軽くする習慣設計を進めるときほど、最初の手触りに戻るようにしています。

インタビュアー

Sazarieが楽しみにしている変化はありますか?

香坂氏

このノートが、特別なものではなくなることです。利用する方に道具の存在を意識させないくらい、自然に仕事の中にある状態がいいですね。

インタビュアー

このノートが目立たなくなることも、成功の一つなのですね。

香坂氏

はい。利用する方の活動が主役で、Sazarieは脇から支えるくらいがちょうどいいと思っています。

Question 06

Sazarieの事業をめぐって、印象に残っているやりとりはありますか。

インタビュアー

利用する方との会話で、印象に残っている一言はありますか?

香坂氏

『これなら人に頼みやすい』と言われたことがあります。便利という言葉より、頼みやすいという言葉のほうが、私には強く残りました。

インタビュアー

一人で抱え込まなくてよくなる。

香坂氏

そうです。このノートが、そういう小さな受け渡しのきっかけになるなら、十分価値があると思いました。

Editor's Note

香坂 美月氏の話で印象的だったのは、暮らしの見通しを軽くする習慣設計を抽象論にせず、日々の確認まで分解していた点です。生活の管理ができていないことを責める道具になりがちだったという原点と、暮らしの見通しを軽くする習慣設計という現在のテーマが、無理なく一本の線でつながるインタビューでした。

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