
Riho Nanase
七瀬 里帆
CEO / Plenia
探究学習・面談記録支援の課題を大きく語りすぎず、学校外教育、探究学習の伴走者、保護者との連携担当の日常から考える。Pleniaのリーダー像を描く。
- Year
- 2021
- Role
- CEO
- Industry
- 探究学習・面談記録支援
- Tags
- 探究学習・面談記録支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
Pleniaの七瀬 里帆氏は、探究テーマと面談記録を育てる学習支援ノートを完成品として押し出すより、学校外教育、探究学習の伴走者、保護者との連携担当との対話を通じて運用を整えることを選んできました。「探究のテーマが提出物のためだけに急いで決められていた」という問題意識を出発点に、情報の残し方、確認の順番、担当者間の受け渡しを見直しています。社内で大切にする会議の冒頭で、結論より前提の違いを確かめる姿勢も、現場の言葉を急いで結論へ変えないためのものです。
Company Focus
Pleniaは、探究テーマと面談記録を育てる学習支援ノートを軸に探究学習・面談記録支援の運用課題へ取り組む組織です。対象となる学校外教育、探究学習の伴走者、保護者との連携担当の既存手順を観察し、残すべき工夫と見直すべき負担を分けながらサービスを設計しています。Pleniaは、導入担当者だけでなく、後から加わる人にも理解できる運用を目指しています。
Business Focus
探究学習の問いを育てる面談と記録の設計が、Pleniaの現在のテーマです。探究テーマと面談記録を育てる学習支援ノートの利用前後で確認が増えていないか、特定の担当者だけに作業が寄っていないかを点検します。最初から全体を統一せず、戻せる単位で試すという考え方を、開発と運用の両方に反映しています。
Leadership Note
会議の冒頭で、結論より前提の違いを確かめる姿勢を、七瀬 里帆氏は標語ではなく会議の進め方として扱っています。短期の分かりやすさを優先して後工程を重くしそうなときには、選ばなかった案とその理由も記録します。Pleniaでは結果だけでなく、チームが次の判断に使える材料まで共有します。
Interview
Q&A
Question 01
Pleniaの原点を、いま振り返るとどう表現できますか。
インタビュアー
探究のテーマが提出物のためだけに急いで決められていたという経験を、どのように受け止めましたか。
七瀬氏
当時は、問題が見えているのに前に進みにくい理由を考えていました。学び手と伴走者の会話にはヒントが多いのですが、忙しい日常の中では、それが次の判断まで残りにくい。
インタビュアー
Pleniaでは、現場の会話を事業の材料として見ていたのですね。
七瀬氏
はい。このノートは、会話の温度を失わずに業務へ渡すための形です。Pleniaの仕事は、そこを丁寧につなぐことから始まりました。
インタビュアー
Pleniaの創業時に、誰かの言葉で背中を押されたことはありますか?
七瀬氏
あります。学び手と伴走者の方に『これ、いつも自分の中で何となく処理していました』と言われたことです。このノートを考える間も、その『何となく』がずっと残りました。
インタビュアー
探究学習・面談記録支援には、まだ言葉になっていない仕事があった。
七瀬氏
ええ。このノートは、その何となくを責めるためではなく、少し楽に扱えるようにするためのものです。
Question 02
Pleniaで、いま最も手を入れている部分はどこですか。
インタビュアー
探究学習の問いを育てる面談と記録の設計を進めるうえで、何を指標にしていますか?
七瀬氏
数字だけでは見えない変化を見ます。たとえば、確認のための会話が短くなったか、誰かに聞かないと分からない状態が減ったか。学び手と伴走者の表情や会話の流れも大切な手がかりです。
インタビュアー
定量化しにくい部分も見ている。
七瀬氏
はい。このノートは、業務の速度だけでなく、迷い方そのものを変えるものにしたいんです。
インタビュアー
Pleniaが、まだ足りないと感じている部分はありますか?
七瀬氏
あります。Pleniaのチームが分かりやすいと思った言葉でも、学び手と伴走者には少しよそよそしく聞こえることがある。このノートの案内は何度も直しています。
インタビュアー
Pleniaでは、言葉づかいも設計の一部なのですね。
七瀬氏
本当にそうです。このノートの短い表現一つでも、利用する人が急かされていると感じることがありますから。
Question 03
Pleniaの会議は、どんな雰囲気なのでしょうか。
インタビュアー
組織づくりでは、会議の冒頭で、結論より前提の違いを確かめる姿勢を大切にしているのですね。
七瀬氏
はい。Pleniaでは会議で強い意見が出ることより、後から読み返しても判断の筋が残っていることを重視しています。
インタビュアー
Pleniaでは、記録が組織の安心感になる。
七瀬氏
そう思います。このノートも、結局は人の判断を支えるものです。Pleniaの社内でも、誰が何を見て決めたのかを曖昧にしないようにしています。
インタビュアー
Pleniaの組織が大きくなるほど、難しくなりそうです。
七瀬氏
難しくなります。だから、早い段階から『誰が決めたか』より『何を見て決めたか』を残すようにしています。
インタビュアー
Pleniaでは、決めた人より、見ていたものを残す。
七瀬氏
はい。そうすると、後から入った人も議論に参加しやすくなります。
Question 04
Pleniaの事業軸を守るために、あえて止めることはありますか。
インタビュアー
Pleniaが迷ったとき、何を手がかりにしますか?
七瀬氏
このノートの変更で影響を最も受ける人を想像します。便利そうに見えても、Pleniaが学び手と伴走者の手元で仕事を増やすなら判断としては危うい。探究学習・面談記録支援ではそこを外せません。
インタビュアー
Pleniaは、利用者の負担から逆算する。
七瀬氏
そうです。探究学習の問いを育てる面談と記録の設計を進めるときも、見栄えより運用後の呼吸を見ます。
インタビュアー
Pleniaで反対意見が出た時はどうしますか?
七瀬氏
助かります。このノートへの反対が出ると、Pleniaはいったん立ち止まれます。毎回止まりすぎると困りますが(笑)、早い段階の反対はPleniaの事業を守ることがあります。
インタビュアー
Pleniaでは、反対意見をブレーキではなく点検として見る。
七瀬氏
そうです。Pleniaの軸から外れていないかを見る機会になります。
Question 05
Pleniaを次にどう育てていきたいですか。
インタビュアー
Pleniaが今後も変えたくないものはありますか?
七瀬氏
探究のテーマが提出物のためだけに急いで決められていたという原点です。Pleniaが広がると抽象的な話も増えますが、最初に見た違和感を忘れるとこのノートの意味も変わってしまいます。
インタビュアー
このノートの原点へ戻ることを意識している。
七瀬氏
はい。探究学習の問いを育てる面談と記録の設計を進めるときほど、最初の手触りに戻るようにしています。
インタビュアー
Pleniaが楽しみにしている変化はありますか?
七瀬氏
このノートが、特別なものではなくなることです。学び手と伴走者に道具の存在を意識させないくらい、自然に仕事の中にある状態がいいですね。
インタビュアー
このノートが目立たなくなることも、成功の一つなのですね。
七瀬氏
はい。学び手と伴走者の活動が主役で、Pleniaは脇から支えるくらいがちょうどいいと思っています。
Question 06
Pleniaらしい、ちょっとした日常の風景を教えてください。
インタビュアー
探究学習・面談記録支援は堅いテーマに見えますが、現場はどうですか?
七瀬氏
意外と人間くさいです。迷ったり、言い間違えたり、後から『さっきの説明、違いました』となったり。そういう揺れも含めて仕事だと思っています。
インタビュアー
揺れをなくすのではなく、扱えるようにする。
七瀬氏
はい。Pleniaの仕事は、完璧な人を前提にしないところから始まっています。
Editor's Note
探究のテーマが提出物のためだけに急いで決められていたという原点を、七瀬 里帆氏は現在の事業判断にも具体的に結びつけています。探究のテーマが提出物のためだけに急いで決められていたという原点と、探究学習の問いを育てる面談と記録の設計という現在のテーマが、無理なく一本の線でつながるインタビューでした。
Related Profiles
More from 2021
同じ年次特集から、あわせて読みたいプロフィールを紹介します。

倉持 岳
Founder / CEO / オルビトン
在庫移動・出荷確認支援
在庫はあるのに、動かせない。倉庫、店舗、出荷前確認のあいだに残る小さな遅れを見つめ、運用の呼吸を整える倉持岳の仕事。
Read Profile
鈴原 梢
CEO / 時禾
収穫計画・季節運用支援
農家、地域の共同作業グループ、出荷調整の担当者の会話から始まった問いを、収穫と出荷を支える柔らかな予定共有へ育てる。時禾の事業づくりを追う。
Read Profile
羽鳥 誠
Co-founder / CEO / メモレイド
服薬記録・家族ケア連携
家族が心配しても本人の生活を細かく管理しすぎてしまう難しさがあったという経験を起点に、本人の尊重を前提にした生活メモ共有へ向かう。メモレイドが大切にする判断の手触り。
Read Profile