
Tomoko Minase
水瀬 朋子
Co-founder / CEO / Compado
近くの店舗同士が困りごとを抱えていても相談の場が少なかったという経験を起点に、小さな店舗が続けやすい協力関係の設計へ向かう。Compadoが大切にする判断の手触り。
- Year
- 2024
- Role
- Co-founder / CEO
- Industry
- 地域店舗連携・共同手配支援
- Tags
- 地域店舗連携・共同手配支援事業設計組織づくり
Profile Summary
Profile
近くの店舗同士が困りごとを抱えていても相談の場が少なかった。水瀬 朋子氏がCompadoの事業を考える起点になったのは、この具体的な場面でした。地域店舗の仕入れ相談と共同手配を支える連携ノートを設計する際も、個人店舗、地域商店、生活サービス運営者の仕事を一律に置き換えるのではなく、既存の工夫を残しながら負担の大きい部分をほどく姿勢を取っています。速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行という組織運営にも、その考え方が表れています。
Company Focus
Compadoは、地域店舗連携・共同手配支援の領域で地域店舗の仕入れ相談と共同手配を支える連携ノートを提供しています。主な利用場面は個人店舗、地域商店、生活サービス運営者の実務です。Compadoは導入時の分かりやすさだけでなく、担当者が変わった後も記録や判断が引き継がれることを重視しています。Compadoは、導入担当者だけでなく、後から加わる人にも理解できる運用を目指しています。
Business Focus
事業の焦点は小さな店舗が続けやすい協力関係の設計にあります。Compadoは、目立つ新機能よりも、個人店舗、地域商店、生活サービス運営者が繰り返す確認や申し送りを短くする改善を優先します。一部の熟練者だけが分かる状態を完成形にしないという姿勢で、現場に合わせて調整できる余地を残しています。
Leadership Note
速く決める部分と時間をかける部分を分ける進行という姿勢が、水瀬 朋子氏のリーダーシップを表しています。一部の要望だけで全体の手順を変えそうな局面ほど、会議の熱量ではなく、実行後に説明できるかを重視します。決定の背景を残し、後から参加したメンバーも判断をたどれる状態を作っています。
Interview
Q&A
Question 01
Compadoは、どんな違和感から始まったのでしょうか。
インタビュアー
はじめからこのノートの構想があったわけではないのですね。
水瀬氏
ありませんでした。むしろ、近くの店舗同士が困りごとを抱えていても相談の場が少なかったという違和感が先にありました。現場の事業者が真面目に向き合っているのに、情報の残り方や伝わり方で余計な迷いが生まれていたんです。
インタビュアー
現場の努力だけでは解きにくい問題だった。
水瀬氏
そう感じました。努力を増やすのではなく、判断の手前にある道筋を整える。Compadoでは、その発想から小さな店舗が続けやすい協力関係の設計に取り組んでいます。
インタビュアー
Compadoを、すぐ形にしようとは思わなかったのですね。
水瀬氏
思わなかったです。このノートを急いで形にすると、浅くなる気がしていました。近くの店舗同士が困りごとを抱えていても相談の場が少なかったという出来事の後も、しばらくはノートに会話だけを書いていました。
インタビュアー
現場の事業者との会話を集めるところから。
水瀬氏
はい。現場の事業者が何に困ったと言うかより、どこで言いよどむかを見ていました。そこにCompadoの事業の輪郭がありました。
Question 02
Compadoの利用者から届いた反応で、最近印象に残ったものはありますか。
インタビュアー
いま一番見直している接点はどこでしょう。
水瀬氏
最初に触れる場面です。このノートは、使い込んだ後よりも、初回に『これは自分たちの話だ』と思えるかが大きい。現場の事業者の言葉に近い導入を磨いています。
インタビュアー
導入の瞬間を重視している。
水瀬氏
そうですね。小さな店舗が続けやすい協力関係の設計も、最初の一歩が重いと広がりません。入口の軽さと、後から深められる余地を両方残したいです。
インタビュアー
Compadoのいまの注力点は、かなり地道ですね。
水瀬氏
地道です(笑)。ただ、Compadoが地道なところを飛ばすと、後で必ず戻ってきます。小さな店舗が続けやすい協力関係の設計も、見た目の新しさより、毎日の仕事にちゃんと残ることを優先しています。
インタビュアー
小さな店舗が続けやすい協力関係の設計は、笑いながら言うにはなかなか重いテーマです。
水瀬氏
そうなんです。でも、このノートを重い顔だけで作っても続きません。Compadoのチームでは、真面目に悩みながらも少し笑える余地は残しています。
Question 03
Compadoの会議は、どんな雰囲気なのでしょうか。
インタビュアー
チーム運営で難しいと感じることはありますか?
水瀬氏
役割が違う人同士の言葉をつなぐことです。地域店舗連携・共同手配支援では、同じ言葉でも立場によって意味が少し変わります。
インタビュアー
翻訳する力が必要になる。
水瀬氏
はい。Compadoでは、小さな店舗が続けやすい協力関係の設計を進める前に、まず言葉の向きをそろえる時間を大切にしています。
インタビュアー
Compadoのチームは、外からどのように見られますか?
水瀬氏
地域店舗連携・共同手配支援の仕事としては慎重すぎると思われることがあります(笑)。ただ、Compadoでは、雑に速く進めるより後から理由を説明できることを大事にしています。
インタビュアー
Compadoでは、慎重さを弱点とは見ていない。
水瀬氏
そうです。遅いだけでは困りますが、このノートについて何を悩んだかが残っている仕事は、後から見直す時に強いんです。
Question 04
水瀬 朋子氏が経営判断で、周囲から見るより悩んでいる部分はありますか。
インタビュアー
決断を先送りしたくなる場面はありますか?
水瀬氏
あります。特に、一部の要望だけで全体の手順を変えそうな局面では、一度立ち止まります。進めること自体より、戻れる幅を残せているかが気になります。
インタビュアー
戻れる設計を見ている。
水瀬氏
はい。このノートを現場へ渡すときも、最初から完成形を求めず、調整できる余白を置くようにしています。
インタビュアー
Compadoで、やめる判断は前向きに受け止められますか?
水瀬氏
簡単ではありません。でも、このノートで何かをやめたことで、現場の事業者の使いやすさを守れる場合もあります。Compadoでは、増やせば良くなるとは考えず、引き算も経営判断に含めます。
インタビュアー
このノートを減らすことも経営判断ですね。
水瀬氏
はい。Compadoでは、減らした後にかえって使いやすくなることも多いです。
Question 05
Compadoを次にどう育てていきたいですか。
インタビュアー
数年先に向けて、どんな状態を作りたいですか?
水瀬氏
Compadoが前に出すぎない状態です。現場の事業者が自然にこのノートを使い、自分たちの判断を更新できるようになっているのが理想です。
インタビュアー
道具が目立たないほうがよい。
水瀬氏
そう思います。小さな店舗が続けやすい協力関係の設計は、派手な言葉より日々の動きに残って初めて意味があります。
インタビュアー
Compadoが、これからも変えない軸は何でしょう。
水瀬氏
Compadoが変えないのは、相手の仕事を勝手に単純化しないことです。地域店舗連携・共同手配支援では、外から見ると小さな手順にも理由があることが多い。
インタビュアー
このノートで便利にする前に、今の手順にある理由を見る。
水瀬氏
はい。その理由を見ないまま小さな店舗が続けやすい協力関係の設計を進めると、たぶん長くは続きません。
Question 06
現場の事業者との会話で、忘れられない一言はありますか。
インタビュアー
普段の仕事で、少し肩の力が抜ける瞬間はありますか?
水瀬氏
ユーザーの方が、こちらの想定と違う使い方を楽しそうに話してくれる時ですね。『そんな使い方がありましたか』と、こちらが教わることがあります(笑)。
インタビュアー
使い方を決めすぎない面白さですね。
水瀬氏
はい。現場の事業者の工夫に驚かされることは多いです。その驚きは、次の改善にもつながります。
Editor's Note
近くの店舗同士が困りごとを抱えていても相談の場が少なかったという原点を、水瀬 朋子氏は現在の事業判断にも具体的に結びつけています。取材を通じて見えたのは、個人店舗、地域商店、生活サービス運営者の仕事を外側から単純化せず、判断の背景まで理解しようとする姿勢でした。
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